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開催日 2005/03/19
コンディション 晴れ/日本平
試合名称 ヤマザキナビスコカップ予選 清水vs鹿島
入場者数 12208人
審判 【主審】松尾 一 【副審】前島和彦/相樂 亨
試合結果 清水1−1広島

 
背番号 ポジション 選手名 評価 背番号 ポジション 選手名
21 GK  西部洋平 6.5 1 GK  小澤英明
25 DF  市川大祐 5 17 DF  内田 潤
2 DF  斉藤俊秀 6 15 DF  岩政大樹
11 DF  森岡隆三 6 4 DF  大岩 剛
3 DF  山西尊裕 5.5 7 DF  新井場 徹
22 MF  太田圭輔→澤登(64分) 5.5 24 MF  青木 剛
4 MF  高木和道 5 16 MF  フェルナンド
7 MF  伊東輝悦 5 26 MF  増田誓志
6 MF  杉山浩太→久保山(73分) 5.5 11 MF  深井正樹→石川(88分)
18 FW  チョ ジェジン 5.5 25 FW  野沢拓也
16 FW  チェ テウク 6 9 FW  アレックス ミネイロ→田代(85分)
    控え選手名       控え選手名
1 GK  黒河貴矢   29 GK  杉山 哲
19 DF  和田拓三   18 DF  石川竜也
10 MF  澤登正朗 6.5 6 MF  本田泰人
9 FW  北嶋秀朗   23 MF  興梠慎三
15 FW  久保山由清 6 19 FW  田代有三


 清水にとって良いイメージの強いカップ戦。

 今シーズンも、Jリーグの開幕から少し遅れ、ナビスコカップが開幕した。
 今回の清水はDグループに所属し、そのDグループは清水以外に鹿島、名古屋、C大阪が所属する。
 この大会は、ご存知の通り日本代表の試合がある期間中に行われる試合が多く、代表選手を多く抱えるチーム程、スタメンの変化が大きくなる。
 第一試合の相手となる鹿島も、その例に漏れない。

 鹿島に所属する日本代表選手は、鈴木本山小笠原曽ヶ端と言う事で、所属選手が一人も居ない清水と比較し、明らかに戦力ダウンである。
 しかも、日本代表と同時期にW杯最終予選のある韓国代表の招集は、ドイツ合宿による早期召集の日本と比較して、少し遅めであったことから、チョ・ジェジンは試合後の召集で間に合うという事で、同ゲームには出場が可能だ。

 このような要因を考慮しても、勝利を収め、決勝ラウンドへの歩みとしたいところである。
 そんな清水のシステムだが、メンバーについてはJリーグの東京V戦と同様のチョイスとなったが、中盤の形に少し変化を与えたようである。
 前節、高木和と伊東テルのダブルボランチに、浩太のトップ下というような形で構成した中盤だったが、ボランチに展開力のあるプレーヤーを擁する鹿島を相手に、浩太とテルを高めに配し、高木和を守備的に置く布陣とした。
 この狙いとしては、やはりボールの配給源である鹿島ボランチの二人を、高い位置でつぶし、縦への効果的なパスを遮断することにあるだろう。

 その狙いが、前半はまるで機能しない。

 ゲームは序盤から、鹿島がペースをつかむ。
 特にフェルナンドの動きがよく、この選手から前線への効果的なパスから清水DFが後手を踏む事になった。
 ポイントとしては、このところ機能している”守備的”に戦うというニュアンスの解釈を、清水の選手がこの試合においては過大にプレーしてしまったことと言えるだろうか。
 いつものようにハーフウェイラインを一つの目安に、そこを超えたエリアに入ったボールに対してアプローチを掛けるということを意識している事は見て取れたものの、これまでのように縦をうまく切れず、簡単にトップの選手に楔のボールが入ってしまう。
 鹿島の前線の4人の選手の運動量が多く、出たり入ったりと上下動を繰り返し、色々なところにそれぞれの選手が顔を出して、基点を作るあたりは、なかなかの試合巧者と言える。
 下手にスタメンの鈴木や小笠原、本山あたりが居る試合よりも、流動的で怖さを感じるアタックだったのではないだろうか。
 特に、野沢と深井の出来がよく、序盤はプレースキックなどでも質の高さを見せていた。
 清水としては、まずポイントとしてテル、高木和のポジションが低く、中盤でのディフェンスという点でどうしても一歩遅く、青木、フェルナンドにあまりプレッシャーの無い状態でボールを配給させてしまった事が響いた。
 加えて、ビルドアップの面でも、テル、高木和、浩太とも今ひとつ貰い手として動く事が出来ず、結果的に最終ラインからのボールは、ゲームを一旦区切るためのクリアか、もしくはジェジンを狙ったロングフィードが多くなってしまった。
 また、両サイドの太田、テウクの位置も押し込まれ、特に太田のサイドは新井場の押し上げを招いてしまい、そこでも基点を作られる事になってしまった。
 市川、太田が二人で後ろの方に位置する場面が多く、必要以上にスペースをケアしようとする意識が高かった為、実際のボールホルダーにアタックにいけない。
 これって、ここ数年の清水が抱える悪い癖だろう。
 テルや市川などに特にその傾向が顕著で、「バランス」という言葉を、ある意味言い訳に使ったようなコメントがよく聞かれる。
 もはや体に染み付いてしまったものなのかもしれないけれど、これまで色々な監督が就任し、清水復活を画策する中でプレーする彼らのプレー内容は、いつも同じだ った。
 要するに、どんなシステム、どんな戦術でやっても、良くも悪くも個としてのプレーに変化が無いということだ。
 良い言い方をすれば”ソツなくプレーする”だが、変化が必要な状況において、それぞれの個に新たな役割が求められる中ではそれもどうだろう??

 少々厳しい言い方をすると、チーム自体が前半のようなプレーを今後も続けていくようであれば、リプレイスの対象はやはり彼らのポジションが優先的と言わざるを得ない。
 ここ数年のチームを観てきた立場として、”改革”の光が見える今季だからこそ、はっきりと言っておくべきなのかもしれない。

 ただし、今後チームが後半のようなパフォーマンスをコンスタントに見せてくれるのであれば、その限りでは無いという事も言いたい。
 誤解の無いように言っておくけれど、今季は健太新監督の指揮のもと、当然ながら全ての選手が激しいポジション争いに晒されている。
 補強についても、狙いとして弱点の補強というポイントもさることながら、”各選手がポジション争いをしなくてはいけない状態”を生み出すための補強と言うニュアンスがより強く感じられる。
 ロジェーリオの補強などはその良い例と言えるのではないか?
 あくまで上記したような、前向きなポジション争いの中においては、特に伊東テルと市川の二人には、より一層の頑張りを期待したい と言いたいのだ。

 前半を苦しい中、守備陣の踏ん張りで、フェルナンドのワールドクラスのFKで失点した1点に抑え、チームは後半に監督の指示のもと、両SBのポジションを押し上げ、全体の位置を高くし、且つ相手の縦のボールへの寄せを厳しくアプローチする事を意識してプレーすると、鹿島の前線の選手の運動量の低下も重なり、徐々に鹿島陣内に押し込んでいく事ができるようになった。
 前記のように最終ラインを高くし、楔の縦パスへの寄せが早くなった結果、鹿島がFWと両サイドの高い位置で、きちんとを入れる事が出来なくなり、結果的に前半は好きなようにパスを回されて、後手後手のディフェンスとなってしまっていた浩太が効果的にボランチのところへ詰めることが出来るようになり、高木和と伊東との関係も、監督の狙っていた逆三角形の形に持っていく事が出来るようになった。
 それに伴い、鹿島のボランチを抑えたことで、ボールの出所が無くなり、鹿島の攻撃が最終ラインからのロングボールに逃げるのみとなった。
 その時間帯は、清水としては全体がコンパクトにまとまっており、最終ラインも高く保てていたため、そのこぼれ玉もことごとく拾う事ができ、結果的に攻撃が単発で終わらず、高いボール支配率での攻撃が展開できるようになった。
 更に、タイミング良く投入された澤登も、右サイドにこだわらず自由に動き回ったことで、前線のいたるところに基点が生まれ、さまざまな形でのアタックが生まれた事は非常に充実していたと思う。
(澤登不在の段階で、太田、テウクあたりはもう少し中に入ったり、外に出たりで基点になっても良かったけれど。)

 こうした後半のサッカーは、見ていて本当に面白いものだったし、そうしたプレーがあったからこそセットプレーではあるけれど、得点に結びついたと思うし、選手にとっても、やはり負けなかった事は重要だろう。
 欲を言えば、やっぱりこの試合も勝っておきたい試合ではあった。
 序盤のジェジンの抜け出たチャンスや、テウクの惜しいシュートなど、決めるべきところで決まっていれば・・・と考えてしまうのは、やっぱりファンとしての心理だろうか。

 メディアで見られる選手からのコメントにも、以前に比べ自信や確信を持った声が聞こえるのは、本当に心強いと思う。
 それだけに、それぞれの選手には、良い意味でこれまでの固まってしまった癖た形を矯正し、アグレッシブなファイトを見せてほしい。

 次のナビスコ杯C大阪戦では、代表の試合でチョ・ジェジン杉山浩太を欠く事になるわけだけれど、この機会を前向きに捉え、代わりに出場する選手にはポジションを奪う気持ちで頑張ってほしい。
 健太監督の意図とも思えるこの激しいポジション争いは、チーム力の向上に直結していると実感できるだけに、このスタメン選手の離脱をそれぞれの選手が、そしてチームがチャンスと捉えて頑張ってほしいと思う。


 課題
 ・ボランチのディフェンス
 ・両サイドバックの攻撃参加
 ・引き気味の傾向
 ・澤登不在時の中盤選手の中央のスペースの使い方

 光明
 ・チョの今シーズン初得点
 ・後半のチームとしての攻撃・守備